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JUJU's Closet

Numero読者のみなさま初めまして。なにかのご縁で今月からこの素敵な雑誌でJUJU’s closetなる連載を始めさせていただくことになりました、JUJUでございます。モードでクールな雰囲気漂うなか、ちょいっと緊張したりもしておりますが、毎月お洋服とそれにまつわるあんなことやこんなことを書いていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、今月のテーマは「バロック」だそうで今年の秋冬の流行のひとつらしいけれど、ともあれ今回の撮影は超緊張したー!そもそもファッションシュートなんて洒落たことしたことないし、いろんな色もこんなにもデコラティヴなお洋服も着たことないしで、鏡に映る自分をとても不思議な気持ちで見ておりました。 自分が普段着ないタイプの服だから着てみるまでどうなんだろうかと不安になっていたものの、実際に着てみるとなんだかテンション上がったり、(若干オカマっぽい感じも否めないけれど)見たことない自分にワクワクしたり。 ともあれあの撮影中に、緊張し過ぎてボンヤリしてきた頭で私が思い出していたことを今回はお話ししたいと思います。

ご存知の方もそうでない方もいらっしゃるかと思いますが、私は18歳の時からつい最近までNYに住んでいました。
音楽もファッションもクラブもミュージカルもお芝居も、なんだったらサーフィンまで私の好きなものがなんでもあるNYに初めて降り立った瞬間からあの街に恋した私が、ホームシックに罹ることも危ない目に遭うこともなく週7でクラブ活動したりととても楽しい時間を過ごしていたあの日々。

あの頃のNYのクラブは本当に良質な音楽と最高にカッコいいパーティーピープルがたくさん集う場所で、良いDJのプレイする音楽を爆音で聴きながらお酒を飲みつつ、ズルいくらいにお洒落なパーティーピープルを眺めるのが大好きでした。当時まだまだコドモだった私にとって素敵な大人たちは憧れてやまない存在だったけど、その大人たちの持っているバッグだったり履いている靴やとても高価そうなドレスと、自分の持っているものを比較してけっこう切ない気持ちになったりもしてました。あの素敵な大人たちみたいなオシャレがしたい!!でもどうしたって経済力とかセンスとか色んなものがついていかないから、なりたい自分と実際の自分の狭間で必要以上にあがいていたっけ。

だいぶ大人になった今となっては、自分の好きなものを好きなように身につけられるようになったはずなのに、今回のモードな撮影の最中はなぜだか大人に憧れていた頃のコドモの心境に逆戻りさせられてました。ファッションの世界の深さと凄さとストイックさにすっかりやられてしまった私は、とりあえずモードな体を手に入れるべくジムに通い始めたとさ。

時に似合ったり似合わなかったり背伸びしたりしなかったりするけれど、なんしかお洋服には人に魔法をかける力がある。そしてその魔法にかかった状態で聴く音楽の素晴らしさったら!音楽とファッションにおける相乗効果の奥深さは計り知れないのです。

つづく

Photo : Takashi Kamei at FEMME / Styling : Yoshiko Kishimoto
Hair & Makeup : Yoshie Sasaki at Sylph / Retouch : Oshin Disco Studio

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