洗面台に音楽プレーヤーを置いて、いつも出かける準備をしながら聴いているんですけど、中でもジャズは私の心を無にしてくれるところが好き。デート前ってふつうハッピーな気持ちになるものでしょ?でも私はそうではなくて、この状態は長くは続かないってやるせなさを強く感じるし、メイクを重ねるほどそれはつのっていく…。そんな心境の時、ビル・エヴァンスのこの曲を聴きます。彼は、ピアノの音色が甘美で印象的なアーティスト。この曲に関してもそうで、特にピアノ・ソロ・ヴァージョンは、当時の彼はよっぽどせつない恋をしていたんじゃ?と思いを巡らせてしまうような仕上がりです。デート前の浮かれた気分を落ち着かせつつ、心のどこかにざわめくような余韻を残す…そんなところが気に入ってますね。それと、聴き手に媚びていない雰囲気があるのもポイント。日本の女の子って、レストランでのデートの時にかいがいしく料理をサーブしたりするじゃないですか。海外では男性がエスコートして料理を取り分けるほうが当たり前なのに…。女たるもの媚を売るべからず──そんなことも教えてくれる楽曲かなって思います(笑)。
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